ある祭りのための物語

May 27, 2019

今日は、大切なお祭りの日。

 

竜が空を駆け巡り、虎は海の上で吠えていた。

 

ふたりの神様も地上に降りて、この日のために仕上げてきたポーズを決めて競い合っていた。

応援団はチームに分かれて、その勝敗を盛り上げた。

 

ずっと、こうだったらいいのに。

だって最後の夜はこんなに切ないんだから。このまま僕だけが夜に溶けて、消えてなくなっていってしまいそうだった。

 

空を見上げると、星はちかちかと歌い、月はふわふわと踊っていた。

 

早くしないと、クライマックスに間に合わない。僕は歩みを速めた。

 

すでにみんなが自分のお気に入りの場所を見つけて座っていた。

 

花火に似た流星たちが、光っては消えていった。

 

ついにクライマックス。

 

大きなクジラのような流星たちの群れが、この空を覆った。

流星たちは緑色やオレンジ色に光を変化させ、ぱらぱらと音を立て、その尾を飛散させて消えていく。

 

みんなそれを見上げていた。

 

夜はやっと光になれたのだと思った。

 

 

 

あのライオンは、星になれたのでしょうか。

 

あの犬は、いつかの夜になれたのでしょうか。

 

あの夢は、消えた後もなにかに生まれ変われたのでしょうか。

 

あの竜は、ひとつになれたのでしょうか。

 

光の群れが通りすぎたあと、いつもの空が広がっていた。

すでに夜明けの光が雲を撫でていた。

 

夕焼けに似た、祈りのような光だった。

 

 

 

 

 

 

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