日本人としてできることを考えなきゃいけない。
何がつくれるのか?何をつくるべきなのか?
池田学さんの展示を見て、しばらく経つが、
今でさえまだ手が進まない。
一体何人ものアーティストが、あの巨大な木の下で途方に暮れたのだろう。
あそこまでされたら、僕らは一体何を作ればいいというのだろう。
「自分にしかできないことを作ればいい。」
そんなことはわかっているけど、本当の意味で自分にしかできなことに向かい合うことは、
途方もなくつらい。
自分ができることをする。ということは、裏を返せば「できない自分と向き合う」ということだ。
そして永遠に答えのない「すべきこと、できること」に自問し続ける。
何十年も、何かを作り続けているアーティストは、化け物だ。
そしてその葛藤の中でしか、人の心を揺さぶるものはなかなか生まれない。
学さんは「日本人でありながら当事者ではない自分」との葛藤の中、一年をかけて瓦礫を描き続けた。
そんなことできるのは、彼だけだろう。
僕は何を作ればいいのだろう?僕は何を作らなければいけないのだろう。ではなくて、
「僕には何が作れるのだろう。」