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2017/04/05

触覚のたとえ

雨に濡れた綿のズボンの裾

雨の中自転車を漕いだら、太腿にズボンが張り付いた。

それは体温と呼応し、ぬるく這いずった。

空に浮かぶサナギの質感のイメージ

やわらかい骨に、積み重なっていく化石。コクーン。箱舟。

「潮だまりをそっと覗くようなねぇ。」

サナギの中に広がるどろっとした海にも、打ち寄せる水しぶきや、潮だまりがあるのだろうか。

それとも、波の穏やかなあの夜、月が微かな鐘の音を打ち鳴らしたように静かで、凹凸のないガラスでできた大陸のような海だろうか。

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